高校歴史教科書の検定で、文部科学省が沖縄戦の「集団自決(強制集団死)」から日本軍の強制を
示す記述を削除させたことに抗議する「教科書検定意見撤回を求める県民大会」(主催・同実行委員
会)が、二十九日午後三時すぎ、宜野湾海浜公園で開かれた。数万人が会場を埋め、実行委員長の
仲里利信県議会議長らが登壇し、文科省に検定意見の撤回と記述回復を求めた。開会前、平和への
思いを訴える読谷高校生の創作ダンスや渡嘉敷村の「集団自決」犠牲者を慰める鎮魂歌「白玉の塔」
などがささげられた。宮古、八重山でも同時刻、郡民大会が開かれた。同日午前、沖縄戦終焉の地・
糸満市摩文仁で「平和の火」が採火され、三十四キロ離れた会場まで百人以上が走り継いだ。
実行委には県議会や県婦人連合会など二十二団体に二百四十七の共催団体が加わった。
会場には家族連れや戦争体験者、学生などが詰め掛けた。那覇市の花城隆さん(74)、トヨさん
(76)夫妻。共に沖縄戦の体験者として「政府は、なぜ『集団自決』の生き残りの証言を信じてくれ
ないのか。『集団自決』の現場は見ていないが、同じ体験者として絶対許せない」と憤った。
読谷村から来た山内昌善さん(71)=無職=は「私も戦争体験者。教科書が変えられたと聞き、居て
も立ってもいられなかった」と話し、「日本軍は住民にいいことは何一つしてない。戦争の実相を正しく
伝え、日本本土に強く訴えないと、沖縄は埋没してしまう」と訴えた。
2以降に続く
ソース 沖縄タイムス
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200709291700_01.html 【画像】数万人の参加者が詰めかけた県民大会会場
http://www.okinawatimes.co.jp/day/gif/200709291700.jpg