【論説】民主・小沢代表にうかがえる国際常識の欠落=日高義樹(ハドソン研究所首席研究員)

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1どろろ丸φ ★
◆小沢氏は基本的な国家観と国際常識が欠落している

民主党の小沢一郎代表が、アメリカのシーファー駐日大使からテロ対策特別措置法の延期に
ついて話し合いたいという要請を受け、一旦は会見を断ったが結局は大使に会いテロ特措法
に反対する意思を表明した。小沢代表はシーファー駐大使との会見を最初に蹴った際「アメリカ
と日本は対等だからアメリカのいいなりにはならない」と大見得をきったが、テロ特措法に反対
するしないにかかわらず、このいきさつからはっきりわかるのは、小沢代表に基本的な国家観
と国際常識がまるでないことである。

小沢代表がまず気がつかねばならなかったのは、たとえ選挙に勝ったとはいえ、野党であり
現実的には少数党である、民主党の代表にアメリカの大使が話し合いを求めたこと自体が、
国際的に見れば常識はずれであり、外交の原則に違反した行為だということである。

アメリカが本当に日本を対等の国だと考えていたら、こうした行動はとらない。日本がいまだに
アメリカの保護の下にある弱小国であり、安倍晋三政権が頼りにならないと思っているから、
こうした行動に出たのである。アメリカは、いまインド洋で海上自衛隊が給油活動を続けている
ことを有り難く思っている。アメリカ海軍の伸びきった補給態勢を、日本の自衛隊が優れた技術
で補ってくれていると感謝しているから、テロ特措法を延期してほしいと考えているのは確かだ。

したがって、アメリカが安倍首相を信頼できると考えれば、たとえ小沢代表が反対しているのを
見ても、日本の国内問題であるとして安倍政権に全てをまかせておくだろう。これが国際社会
における対等な国と国のつきあい方である。小沢代表がもし本当にアメリカと日本が対等だと
考えているのであれば、シーファー大使にその点を指摘し「問題は日米間の首脳同士で話し合
わなければならない」と伝えるべきだった。 (>>2-5に続く)

Yahoo/リベラルタイム10月号「THE POWER OF U.S.A」:
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20070904-02-1201.html
2どろろ丸φ ★:2007/09/07(金) 00:37:00 ID:???0
>>1の続き

◆小沢氏の錯覚=「日本はアメリカと対等だ」「日本は完全に独立国家だ」

小沢代表はしきりに「日本はアメリカと対等だ」と主張するが、アメリカ政府の指導者は、表面
的にはともかく、日本とアメリカが同等だとはまったく考えていない。アメリカが核の傘によって
日本の安全を守っており、日本が北朝鮮や中国から武力攻撃を受けないのは、アメリカのお陰
だと考えているからだ。

ところが小沢代表をはじめ民主党のリベラル派の人々は、日本が日米安保条約に基づき、
日本の領土を基地としてアメリカに提供し、その見返りとしてアメリカが日本を守っていると考え
ている。サンフランシスコ和平条約の成立と日本国憲法によって、日本は完全に独立国家に
なったと錯覚しているからだ。

だが、当時の現実は日本人が考えるよりももっと厳しかったのである。サンフランシスコ条約と
いうのは、現実的にはアメリカによって与えられた単独講和条約であり、アメリカは「軍隊を
持たない日本を守る」という名目の下に、アメリカの国益のために占領と同じ状態を続けた。
その後冷戦の高まりの下でアメリカは自分の領土を守るのと同じ体制で日本を守り、日本は
アメリカの一部であり続けた。安倍首相は少なくとも、こうした状況を正して日本を本当の独立
国家にしたいと考えているようだが、残念ながらその政権は腐敗しきった自民党とその政治家
たちによって動かされている。

アメリカ政府はこうした日本の情勢を実によく理解している。テロ特措法について、野党である
小沢代表と話し合うという原則違反をしたのは、そのためだが、小沢代表の対応は結局のとこ
ろ、日本がアメリカとの属国的な関係をひきずっていることを暴露することになった。(以上)