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アフガンとクウェートは増強
イラク国内からは撤退するが、イラクの争乱やイランの不安定化に備えてクウェート駐留の地上軍を増強するほか、ペルシャ湾岸の空母や海兵隊の配備は継続するとしている。
また、リポートは、「9.11」の根源となったアルカイダとタリバンの掃討作戦は完遂しておらず、アフガニスタンの治安も悪化しているとして、
▽アフガニスタンに2万人を追加派遣し、NATO中心の国際治安支援部隊と合体して、米将軍指揮下の新たなNATO部隊を創設する。
さらに、アフリカやフィリピン・インドネシアなどアジアでのテロリストとの戦いを支援するため、1000人の米兵を増派するとしている。
軍隊の再配置計画と同時に、イラク安定化のジュネーヴ平和会議の開催や復興支援の国際基金なども提唱しているが、ありていに言えば「イラクからは手を引いて、アフガニスタンのアルカイダやタリバンを片づけましょう」というものである。
イラクからの段階的撤退にしても、現在の混乱の要因の一つになっている部族間・宗派間の対立については楽観的で、英豪伊日など他の部隊派遣国との関係には一切ふれていないなど、かなり大雑把なリポートとの印象は否めない。
「イラク戦争不支持が過半数―直近の米・世論調査」
しかし、4月末から5月初めにかけて実施された世論調査を見ると、米国民の不満と不安はかなり高まっている。
イラク戦争は誤りとするのが55%(CNN)、現政権のイラク政策不支持が64%(CBS)、米国内での新たなテロ攻撃に不安を感じる人は77%(サーベイUSA)にも達している。
今回のリポートは、平均的なアメリカ人の気持ちを反映したものとも言え、11月の中間選挙で民主党に有利に作用することは確かだ。
『アメリカ進歩センター(CAP)はヒラリー・クリントンの呼びかけでクリントン政権の首席補佐官だったジョン・ポデスタが2003年に設立したもので、
2004年の大統領選で強烈に反ブッシュ運動を展開したジョージ・ソロスや西海岸の億万長者・サンドラー夫妻らが資金提供をしている。
昨年からは大学のキャンパス活動を開始、草の根運動にも力を入れており、民主党の中間選挙や2008年大統領選の戦略に欠かせない存在となろう。