★駐機時 燃料管損傷か/中華機炎上
那覇空港の中華航空機炎上事故で、機体メーカーの米ボーイング社は二十一日までに、
製造ミスはないとの見解を各国の航空会社に通知した。国内各社の緊急点検でも同型機に
異常は見つからず、国土交通省などは、エンジン内に吸い込んだ物体や内部の部品が燃料
配管を損傷するなど、駐機の際のトラブルをきっかけに燃料が大量に漏れ、発火につながった
とみている。
国土交通省航空・鉄道事故調査委員会と県警は二十一日午前十時五十分、那覇空港で
合同実況見分を行った。約六十人が焼け落ちた機体左側や燃料とみられる油漏れが確認された
右翼部分、コックピットなどを点検、書類などを回収した。
同委員会は午後から、乗員や消防関係者から再度、事故状況を聴取。県警も事故機の乗客
から話を聞いている。
実況見分には、二十日に来沖した台湾の事故調査委員会と中華航空関係者も立ち会った。
事故調査委は、翼の内部にある燃料タンクや、エンジンへ燃料を送る配管など「燃料系統」に
損傷や異常がないかどうかを詳しく調べる。
二○○五年十二月、鹿児島空港で離陸直後のスカイマーク機(ボーイング767)の右エンジン
が爆発した事故では、エンジン内のタービンブレード(回転翼)一枚が破断した振動で燃料配管の
継ぎ目が外れ、漏えい燃料に引火したことが原因だった。
事故調査委によると、那覇空港では事故機が通った滑走路や誘導路には燃料が漏れ落ちた
形跡はなかった。駐機場で地上の整備士が右翼側の燃料漏れを発見。火が出た後も燃料は
漏れ続け、胴体直下の地面に大量にたまった燃料を伝って左翼側へ爆発しながら引火。鎮火
から約五時間が経過した二十日夕の調査時も、右翼の先端からまだ燃料が漏れているのを
調査官が現認した。
台湾当局は「計器に異常を示す表示はなく、操縦士は駐機場で整備士に指摘されるまで
燃料漏れに気付かなかった」としている。
事故調査委は二十日に事故機から回収したフライトレコーダー(飛行記録装置)を東京に送り
解析するとともに、今後機内に残っているボイスレコーダーを回収し、分析する。
(以下元記事で)
沖縄タイムス 2007年8月21日(火) 夕刊 1面
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200708211700_01.html