★親同士で「代理お見合い」 縁結びビジネス花盛り
・結婚適齢期の息子や娘に代わり、親同士が集まる「代理見合い」が広がっている。
地域の“世話焼きおばさん”が縁をとりもってくれたのは今や昔。わが子のプロフィルを
手に、親が相手探しに真剣だ。果たして、思惑どおりに結婚するカップルは増えるのか。
「息子は○○大学を出て、大手企業に勤めています」「こちらが娘の写真です」
神戸市内のホテルで開かれた代理見合い「縁結びの会」。適齢期の息子や娘を持つ
親二十人が対面した。六十歳前後の女性が多く、互いの子どものプロフィルが配られ、
学歴、年収、希望のタイプなど約十項目に目を通す。あいさつを交わした後、自由時間に
気になる相手と話し込む。
明石市のパート女性(62)は「紹介者の顔を立てる必要がなく、率直に話ができる。
結婚後も家同士の付き合いは続くので、相手の親が分かれば安心」という。
主宰するのは、神戸市の映像制作会社「インフォース」。ブライダル関連の仕事をきっかけに
代理見合いを手がけ、現在、兵庫県内を中心に約百人が登録する。「地域や親類との付き合いが
減った上、親子のコミュニケーションが少なくなり結婚観を共有できず、親の不安感が増して
いる」と社長の蔭山邦子さん(32)は分析する。
国立社会保障・人口問題研究所(東京)の調査によると、二〇〇〇-〇五年の見合い結婚は
婚姻全体の6・2%。戦前の十分の一以下に激減した。生涯未婚率(五十歳まで一度も結婚
しない人の割合)は、二五年には女性で20%にのぼるとされ、ますます親の不安は募りそう。
女性の親の中には、大企業勤務で年収一千万円以上と強気の条件を示すケースもあるという。
蔭山さんは「結婚は親が代理できない。親子の対話を深めた上で、会が現代版“世話焼き
おばさん”の役割を果たせれば」と話す。
これまでに縁結びの会は八回開かれ、結婚したのは一組。(一部略)
http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sg/0000539333.shtml