【裁判】月額最大14万6000円給付、医療、介護、住宅の費用も国が負担・・・中国残留孤児訴訟決着へ

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2出世ウホφ ★
支援策は、現在は3分の1しか支給されていない国民年金を満額支給(月額6万6000円)し、
さらに生活保護に代わる給付金制度を創設して単身世帯で月額最大8万円を上乗せ。
医療、介護、住宅の費用も国が負担する。現在、孤児の多くは生活保護を受けているが
受給額は年金と合わせても月額最大約8万円で、大幅な収入増となる。
支援策は永住帰国した残留孤児(約2500人)だけでなく残留婦人(約3800人)も対象となる。
支援策は行政が孤児の収入状況を調査し、勤労による収入や厚生年金を受けている場合に
給付金を減額する仕組み。孤児側から「自分で働いて得た厚生年金分が減額されるのは不公平」
「生活が監視される」と反発が出ていた。
このため与党側は減額する際の基準を緩和して不公平感を軽減するとともに、
収入調査を年1回にするなど過度な生活干渉とならないよう配慮した。
残留孤児訴訟は現在、仙台、山形、東京、長野、名古屋、京都、大阪、岡山、福岡、
鹿児島の10地裁と、札幌、東京、名古屋、大阪、広島、高松の6高裁で係争中。

■中国残留孤児
戦前、戦中に旧満州(中国東北部)に渡った開拓団の家族らで、
1945年8月の旧ソ連参戦による混乱の中で肉親と生き別れになるなどして現地に残された
日本人のうち、おおむね当時13歳未満の身元不明者。72年の日中国交回復後に肉親捜しと
帰国が本格化、81年には集団訪日調査が始まった。今年5月末現在で永住帰国者は約2500人。
終戦当時、13歳以上で中国人の妻になるなどして帰国の機会を失った女性は「残留婦人」と呼ばれ、
約3800人が永住帰国。孤児と婦人らの平均年齢は4月末時点で70.52歳。

■生活保護と分離徹底を 木下秀雄・大阪市立大教授(社会保障法)の話
医療、介護、住宅の費用とは別に最大月額14万6000円を給付するという支援策は
それなりに評価できると思うが、残留孤児がこれまで苦しい生活を強いられてきた経過を踏まえ、
運用段階で従来の生活保護とは別個のものと位置付けることを徹底してほしい。
国が孤児の生活をあまり細かくチェックすることのないようにすべきだ。

(終)