・2002年に過去10年間で最悪の5.4%となった完全失業率は、その後、減少し続け、
03年春に8000円割れした日経平均株価も1万8100円を超えた。同年以降の経済
成長率は2%台を堅持するなど、各種指標は景気回復を示している。一方で、全国の
生活保護世帯は1992年度以降、増加の一途をたどり2005年度に100万世帯を超えた。
景気回復の恩恵を受ける人々と、回復を実感できない人々の格差は広がりつつある。
参院選を前に、格差社会の重圧にあえぐ人々の現実を追った。
「大の大人が三人もいて、生活保護を受け続けると甘えが出る」
昨年八月、三郷市に住んでいた一人の女性(49)とその家族が、東京都葛飾区に転居した。
翌九月、女性の転居に伴う生活保護の手続きのため、同市の福祉事務所に電話した吉広慶子
弁護士は、担当職員の言葉に耳を疑った。
女性は一年半にわたり、生活保護申請を受け付ける同市の福祉事務所窓口を訪れ、昨年
六月に認められたばかり。同市が転居先の葛飾区に女性の生活保護に関する書類を送れば、
転居先での保護申請手続きはスムーズに行われるはずだったが、市は手続きをとっていなかった。
担当職員はその理由を「本人のためです」と話した。
女性は急病に倒れた夫と派遣社員の息子、高校生の娘の四人暮らし。女性自身も夫の病気を
苦に体調を崩し、収入は息子が稼ぐ月十万円のみ。夫婦の借金に加え、医療費とアパートの
家賃だけで月に計約十五万円がかかり、家賃は一年以上滞納を続けた。
困った女性は、夫が倒れた〇五年一月から約十回、同市の窓口に出向いたが「働きなさい」などと
言われ、申請を断られた。吉広弁護士が申請に付き添い、昨年六月に生活保護が認められたが、
今度は再三市外への転居を勧められ、九月までに転出した。
女性は必要な生活保護申請を受け付けてもらえなかったとして、同市に対し、受け取れなかった
期間の生活保護費や慰謝料など約一千万円の支払いを求めて近く提訴する。(
>>2-10につづく)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/20070704/CK2007070402029433.html ※前:
http://news22.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1183555322/