カネミ油症事件の被害者救済などを本格的に進めようと、五島市は、「市カネミ油症
問題対策推進本部」を七月一日に立ち上げる。中尾市長を本部長とし、関係各課が
連携して諸課題に対処する態勢を整える。市長が二十六日の定例市議会の閉会
あいさつで明らかにした。
同市は油症被害者が多く、認定患者だけで約二百五十人が在住。仮払金免除の
特例法が今月成立し、救済拡充を目指す超党派の国会議員連盟も発足する一方、
医療補償や健康管理手当、未認定問題など解決すべき問題は山積している。
同市はこれまで、被害者対応に健康政策課が当たり、カネミ倉庫が被害者の医療費
の自治体立て替え負担分を返還しない問題に市民課が対応してきた。
今後はこれに加え、同本部が中心となり、▽被害者の健康状態や生活実態の把握
▽被害者団体などからの各種要望の聴取▽救済措置の企画立案▽政府や政党、
県などに対する要望事項の取りまとめ▽カネミ倉庫に対する責任追及−などを総合的
に進めるという。岩村進、諸谷英敏両副市長を副本部長とし、本部員は健康政策、
市民、企画、総務、税務などの各課長と玉之浦、奈留両支所長を予定。
中尾市長は「各課による個別対応から、市としての横断的な取り組みに発展させ、
救済などを一層進めたい」と述べた。カネミ油症五島市の会の宿輪敏子事務局長(45)
は「地元市の率先した動きであり、本当にうれしい。本格救済に弾みがつく」と話した。
http://www.nagasaki-np.co.jp/kiji/20070627/05.shtml