鉄道趣味で「乗りつぶし」といえば、鉄道の全区間を乗り倒すこと。国内の全線を乗りつぶすとなると、
金も時間もかかる。「えんぴつで日本全駅」(メディアファクトリー刊)は、全国の「駅名」をなぞり
書きすることで、乗りつぶし気分を味わおうという趣向だ。
鉛筆でなぞり書きする本は、昨年の「えんぴつで奥の細道」(ポプラ社)の大ヒット以後、さまざまな
類似本が出ている。担当編集者の江守敦史さんは「路線図を眺めてどんな駅があるのかを見るのは楽しい。
えんぴつ本にしたら受けるのでは、と電車に乗っていて(出版を)思いついた」と言う。
ページをめくると、全国の鉄道の「路線図」がずらりと並ぶ。JR編は4588駅、私鉄編は4878駅を収録。
駅名は大きな文字で薄く印刷してあり、ここをえんぴつでなぞり書きする。
国交省の鉄道要覧に沿った正式名を採用。東北本線の始発駅は「東京」だ。赤羽線はあるが、埼京線は出てこない。
路線ごとの解説や、鉄道関連のうんちくも盛り込まれている。
乗った経験はなくても、艫作(へなし)、風合瀬(かそせ)などと海にちなんだ難読駅名が多いJR五能線や、
深い山間を走りながらなぜか「平」のつく駅名が続く黒部峡谷鉄道などをなぞると、旅情にひたれそううだ。
[朝日新聞]2007年06月25日
http://www.asahi.com/komimi/TKY200706200326.html つづきは
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