【文化】知恩院・鶯張りの廊下、修復で「鳴き声」消える見通し 「50年、100年が過ぎれば再び・・・」

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知恩院(浄土宗総本山、京都市東山区)の七不思議の一つで、歩くとウグイスの鳴き声の
ような音が聞こえる「鶯(うぐいす)張りの廊下」が、宗祖法然の遺徳をしのんで行われる
「平成の大修復」後、御影(みえい)堂(国宝)と集会(しゅうえ)堂(重要文化財)から
“消える”見通しになった。

長年の歳月で緩んだくぎが床板の留め金具にこすれて音がするが、修復でくぎを固定するため。
寺は「50年、100年が過ぎれば再び鳴き声が聞こえるようになるはず。それまでご辛抱を」としている。

鶯張りの廊下は、境内の御影堂から集会堂、大方丈、小方丈に続く全長約550メートル。
静かに歩くほうが音が鳴るため、不審者の侵入を感知する警報の役目もあるとされる。

廊下は、床下に渡す横木を、床板の裏から留め金具とくぎで固定している。江戸初期の
再建以来約370年で木材が乾燥、収縮し、床板と横木の間にすき間が生まれ、緩んだくぎが
金具にこすれて独特の音を出すようになったらしい。

大修復は2011年の宗祖法然の遺徳をしのぶ「800年大遠忌(おんき)」記念事業の一環で、
再建後初めて、御影堂と集会堂の廊下計約310メートルのヒノキ板を全面的に張り替える。
集会堂は05年7月に着工し、11年3月の完成を目指している。御影堂は大遠忌法要後に
着工、19年に完成の予定。

修復担当の府教委文化財保護課の奥野裕樹専門員は「くぎを緩めれば音は出るが、
床板が動いて傷みやすくなる」と話す。

知恩院文化財保存局の話「鶯張りを後世に残すための養生。大方丈などの廊下は
今まで通りです」



読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20070616i507.htm