流出捜査情報に被害者や協力者名多数 仕返しの恐れ
警視庁北沢署の巡査長(26)の自宅パソコンから流出した警察書類など計1万件の文書には、
実際の事件で性的被害を受けた被害者や、捜査に協力した参考人の氏名、住所と見られる情報が
多数含まれていることが14日、わかった。情報が実在の人物のものと確認されれば、
被害者や協力者が精神的苦痛を受けたり、仕返しなどの被害を受けたりする恐れがあり、
警視庁は早急な被害者対策を迫られている。
流出情報には自動車ナンバー自動読み取り装置(Nシステム)の設置状況に関する資料もあった。
強制わいせつの20代の女性被害者の被害届には、被害にあった時の状況が細かく書かれていた。
特異事件取扱簿には、電車への飛び込み自殺を図って生き残った男性の住所、氏名、状況が書かれている。
相談事案受理簿には、相談者の氏名や住所が書かれ「下記の女性と別れた後、つきまとわれ、
職場、自宅にいたずら電話をされ、困っているとの相談を受けた」などと記されていた。
医師法違反事件の参考人供述調書には、参考人女性の氏名、住所、携帯電話番号があり
「診療所の近くに住んでいるのに、中国人女性の人工中絶をしている病院だとは知りませんでした」
などと供述内容が書かれている。
こうして捜査に協力した人が、容疑者側から脅されるなどの被害にあう危険性が流出によって強まっている。
また事件関連口座一覧には、口座番号から住所、生年月日までの情報が網羅されており、悪用される危険がある。
捜査諸雑費には、捜査のために利用した交通機関、区間、金額、刑事名などが日付とともに詳細に書かれている。
画像ファイルは約1000件あったが、逮捕前の容疑者や関係者などの行動を確認するために
撮影されたと見られるビデオ映像がほとんどだった。
朝日新聞 2007年06月14日17時30分
http://www.asahi.com/national/update/0614/TKY200706140237.html