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>>1のつづき)
88年5月31日に総務課長と事務局長が交わした覚書には、≪窓口装置を連続操作する
場合の1連続操作時間は45分以内とし、操作時間45分ごとに15分の操作しない時間を
設ける≫とある。1時間のうち15分も休憩できるとすれば、かなり楽な仕事というしかない。
かつて、国鉄は37兆円もの巨額負債を抱えながら、職員の態度は横柄で、労働条件優先の
ストライキを繰り返した。今回入手した内部資料とずさんな年金記録の管理を見る限り、
屋山氏の「社保庁=第2の国鉄」という指摘はうなずける。
屋山氏は「私は以前、『国鉄労使国賊論』を書いたが同じ構図だ。社保庁は幹部も労組も
両方悪い。こんな組織を公務員の立場で残してはならない。民営化してダメな職員のクビを
切るべきだ」と語る。
ちなみに、年金問題を深刻化させた基礎年金番号の実施関連省令改正は96年10月、
自民党と社会党(現社民党)、新党さきがけによる自社さ連立政権下で行われた。当時の
厚相は現民主党代表代行の菅直人氏。
参院選まで2カ月を切り、野党各党は鬼の首を取ったように政府与党を攻撃している。
現在の政府与党に責任があることは間違いないが、大切なのは国民の不安を一刻も
早く解消し、許し難いミスをした歴代社保庁長官以下、同庁職員らに責任を取らせる
ことだ。(以上)