民主党は9日、夏の参院選大分選挙区で社民党との候補者一本化調整を断念した。小沢一郎・
民主党代表自らが調整に意欲を示していたが、両党県連がそれぞれ独自候補の擁立を譲らず、
事実上の分裂選挙もやむを得ないと判断した。両党は秋田、富山両選挙区で統一候補を擁立、
沖縄選挙区でも野党統一候補を立てる方針だが、大分の分裂は野党協力路線を追求する小沢氏
にとって、先月の参院沖縄補選敗北に続く痛手となった。
「候補者を1人にすることはできなかった」。小沢氏は9日、党本部の記者会見で無念さを
にじませた。
(中略)
小沢氏は記者会見で、党本部としては矢野氏を公認や推薦しない方針を強調したが、立候補
については「県連が誰を応援しようかということまでは拘束しない」と説明。事実上の分裂選挙
を黙認する考えを示唆した。小沢氏は9日昼、社民党の又市征治幹事長に電話し「民主党は
候補者を擁立しない。不満だろうがギリギリのところで理解いただきたい」と伝えた。
大分問題をめぐり、小沢氏は自ら一本化調整に乗り出し、又市氏と会談を重ねてきた。野党
選挙協力を積んで参院選での与野党逆転を目指す「小沢戦略」自体がほころぶことを警戒した
ためだ。しかし、地元県連は小沢氏への調整の一任を拒否。先月25日には、松本、矢野両氏
を東京に呼び、小沢、又市両氏が直接面談し最後の説得を試みたが、物別れに終わった。
民主党内ではさきの沖縄補選で野党統一候補が敗北したことから、選挙協力よりも党の独自性
を追求すべきだとの議論が党内でも強まりつつある。又市氏は記者団に9日「(他の選挙協力に)
影響させるべきではないと思うが、それぞれのところでどう受け止めるか」と野党共闘に悪影響
を与える可能性を示唆しており、野党間のきしみは拡大している。
■ソース(毎日新聞)【山田夢留、葛西大博】
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/senkyo/news/20070510k0000m010066000c.html