・「沖縄に基地はいりません」。三条河原町。プラカードやビラを手にした学生ら約10人が
毎週土曜夕に商店街先で訴える。
中心になる山下亮輔さん(22)は立命館大4年生。3年前の7月に大学の課外活動で沖縄を
訪れ、移設計画に反対し、座り込みを続ける人々に出会った。
辺野古のテント村では同世代が阻止行動に加わっていた。埼玉の高校を中退後、名護市に
移り住んだ富田晋さん(22)もいた。海を戦争の拠点にしたくないという地元のおじい、おばあの
思い。「海に座っても基地に反対する」「孫たちに同じ思いをさせたくない」。これを受け継いで
前線に立っていた。「辺野古の闘いが戦争を止める力、世界のあり方を変える力になるといい」。
「辺野古だけの問題じゃない。地域に持ち帰って考えて」 座り込みに加わった山下さんは、
富田さんの言葉が忘れられず、04年9月、友人や市民らと「沖縄・辺野古への新基地建設に
反対し、普天間基地の撤去を求める京都行動」を始めた。
メンバーは約30人。京都精華大4年の長谷川佳奈さん(21)は海上で事前調査を阻む行動を
続ける人の講演を聞き、「行かなきゃ」と辺野古を訪れた。行動に加わると、単なる沖縄の問題
とは考えられなくなった。放っておけば、いつか自分の生活も危険にさらされるかも知れない。
「自分と周りの人が、穏やかに生活していくための活動なんです」
フリーターの三保谷翔子さん(22)は現地に通ううちに、自分たちも加害者だと思うようになった。
「私の周りに基地がないことと基地問題は表裏一体。基地を沖縄に押しつけてるんじゃないか」
反対行動の広がりで、当初の辺野古沖への移設計画は断念に追い込まれた。だが、米軍
キャンプ・シュワブ内の辺野古崎への代替案が示され、再び事前調査が始まっている。
山下さんは「平和憲法がある国だね」と言われると複雑な気持ちになる。戦争放棄をうたって
いるのに基地はある。「日本が戦場になっていないだけで、戦争は続いている。本当の9条の
姿を取り戻したい」(一部略)
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