【大前研一】日本は慰安婦の強制連行を認めていた 客観的に見れば従軍慰安婦もまた拉致問題である★3

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3丑幕φ ★
>>2の続き

★東京裁判で明らかにされていた従軍慰安婦の決定的証拠

 ところが、ここに来て、安倍首相や彼の取り巻きをあっと驚かせる新事実が飛び出した。
林博史・関東学院大教授が米国の新聞で発表した論文である。

 それによると、第二次世界大戦直後の東京裁判において、オランダ、フランス、中国などが
提出した資料に、日本軍に強制的に連行され、従軍慰安婦として働かされたことを示す
資料がたくさんあるということだ。それによると、地元警察に捕まってそのまま日本の
収容所に連れて行かれて慰安婦にされた話や、現地の女性を拘留した理由として、
売春宿に入れるための口実だったと日本軍が答えた調書などが数多く残されているとのことだ。

 ここでのポイントは二つある。まず、東京裁判での資料なのだから、これは公文書だということ。
そしてもう一つは、日本はサンフランシスコ講和条約によって東京裁判を受け入れたということだ。
つまり日本は、従軍慰安婦の強制連行を公式に認めていたわけだ。

 わたし自身は東京裁判の資料を直接読んだわけではない。しかし、この論文に書かれたことが
事実であるならば、事は重大だ。安倍首相や下村官房副長官の罷免にもつながるだろう。

 もはやこれだけはっきりとした歴史的資料を提示されてしまったのだ。日本が強制的に
従軍慰安婦を連行したことを示す証拠はなかった、などということはできない。
これまでの安倍首相や下村官房副長官の発言は、日本の信頼を失墜させ、国際的な物義を
かもしたことになるのだ。少なくとも野党はこの資料を元に、下村官房副長官の罷免要求をするべきだ。
なにしろ日本はこの問題のためにアジアの友邦国から見ても大きく後退した、と思われているのだから。

続く