>>588 > 俺は素人なんでここまで詳しい論点になると、もうお手上げ。
それで素人にもよくわかる話で、去年の夏だか秋頃、IWC科学委員会の理論誌
J.Cetacean Res. Manage. 8 1or2)見てて笑っちゃったんだけど、鯨調
査船の舳先に犬が一匹いるんですよ。写真が出てた。
それで何やってるのかというと、鯨がかなり遠くでも糞をすると鳴いて教えるん
ですね。猟犬じゃなく鯨糞犬だね。
それでおもむろに船がそちらへ向かい、ミクロン単位の網目のネットで糞を
すくうんだね。で、すぐに取り出してアイスボックスに入れ、できるだけ早く
マイナス20度で冷凍保存して、あとからゆっくり分析するんだそうです。
マジなはなし、鯨糞犬を導入してから採糞率が格段に向上したそうですw
この場合、アイソトープ分析といって、炭素と窒素に重さの違う2種類があって、
それの比率の違いで餌生物の種類がわかるというメカニズムを使ってもとの生物
をつきとめます。
同じアイソトープ分析で、いろいろな動物の体の細胞をとって、炭素13と12の比率、
窒素15と14の比率を調べると、その動物のいろいろな特性がわかるという領域が
年々広がっているのだそうで、餌の特性だけじゃなく、鯨その他海獣自体の体細胞を
とって調べると、沿岸にいたのか沖合にいたのか、環境温度の違い、個体群差、性別
なんていうのもわかるんだそうですね。(ここまでのところは2002年段階の情報です
ソースはW. Don Bowen, Feeding Ecology. in "Marin Mammal Biology " ed. by A. Rus Hoelzel 2002)
海獣からちょっとだけ細胞を取って調べてるようです。この辺りの技術は、
ローテク部門も含めて日進月歩だね。海洋生態関係の専門雑誌でも普通の科学雑誌
でも、ぱらぱら見てるといくらでも出てきます。
まあそういうわけで、サンプル調査=捕殺という発想は日に日に影が薄くなっている
といって良いのじゃあないでしょうか。