自民党各派が政治資金パーティーを相次いで開く「パーティーの季節」に入った。今年は夏に
参院選が控えており、各派とも自派を拡大させるための軍資金集めに躍起。ただ、パーティー
風景は派閥が政治を動かしていたころの面影はほとんど感じられない。かつては5000〜
1万人を集めたが、派閥の影響力低下に「政治とカネ」の問題も加わり、パーティー券の売れ
行きは思わしくないようだ。
先陣を切る形で24日に高村派がパーティーを開き、25日には党内第2派閥の津島派が続いた。
この後、5月に第1派閥の町村派など5派、6月に2派が開催する。
東京都内のホテルで25日夜、約3000人を集めた津島派パーティー。会長の津島雄二元厚相は
「我々はあらゆる政策分野で、自民党政権の中核を握っていると自負している」とあいさつし、
「保守本流」ぶりをアピールしてみせた。
参院では津島派が最大勢力を有する。参院選の改選議席64のうち、同派が21議席を占める。
決定ずみの党公認・推薦候補81人中約30人が同派の候補で、町村派の16人よりも多い。
津島派には参院選を機に反転攻勢をかけたい思惑があり、パーティーには総決起集会という面も
あった。
総裁派閥、キングメーカー派閥として党内に君臨した田中派−竹下派の流れをくむ。しかし、
明確な総裁候補も持てない今、派閥の求心力は保てず、田中角栄、竹下登両元首相や金丸信
元副総裁らのもとで「鉄の結束」を誇った当時の力はもはやない。総決起集会としたいパーティー
の様子も昔日の姿とはほど遠いものとなった。
こうした事情は各派が共通して抱えている。パーティーにはお互いの幹部が出席し合うが、
単なるエール交換の場と化してしまう可能性がある。
■ソース(毎日新聞)【中澤雄大】
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/seitou/news/20070427k0000m010143000c.html