【モスクワ=瀬口利一】インターファクス通信によると、日本と中国が優先着工をめぐり競合するロシア・
東シベリア産原油のパイプライン建設計画で、露天然資源省当局者は10日、日本向けルートの着工が、
油田開発の遅れから、3、4年延期されるとの見通しを明らかにした。
サンクトペテルブルクで記者団に語った。
当初計画では、2012年に年間8000万トンの輸送能力をもつパイプラインを完成させる予定だったが、
現在の可採埋蔵量では、3000万トンしか確保できないという。露経済発展貿易省高官は、油田開発の
ため1000億ドル以上の投資が必要で、輸送開始は25年ごろまでずれ込むとの見通しを示している。
同パイプラインは、イルクーツク州タイシェト―スコボロジノ区間約2700キロが08年後半に稼働予定。
その後、日本海沿岸まで延ばす「太平洋ルート」と中国・大慶に向かう支線「中国ルート」の第2段階を
計画している。中国ルートは、中国石油天然ガス集団(CNPC)が露側の建設主体トランスネフチ社と
着工に向けた準備を進めている。
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20070411id01.htm