・評論家の池内ひろ美さん(45)をインターネットの掲示板で脅迫した男が先月末、逮捕
された。匿名性に隠れてエスカレートする言葉の暴力に、対処法はあるのか。
発端は、池内さんが昨年十月、自身のブログに書いた「期間工」と題する文。名古屋市内の
居酒屋で居合わせた、自動車メーカーの期間工を名乗る三十代前後の男性たちとの
やりとりから、男性たちの向上心のなさを叱咤した内容だった。
学力を疑問視するともとれる表現などに、池内さんのブログや「2ちゃんねる」に
「職業差別」と批判が集中。池内さんのブログは書き込みが殺到して「炎上」する一方、
2ちゃんねるや他のブログに「売春斡旋」「非弁活動」などと書き込まれた。
中傷は「娘は売春で補導歴がある」など家族にも及び、「池内ひろ美一家皆殺しを希望」と
題するブログも開かれた。娘の実名や出身校など私的な情報もさらされた。
身近で嫌がらせを受けるようにもなり、十一月には自宅前でカメラを持つ三十代男性が
警察に事情聴取された。出演するテレビ・ラジオ局や講演会の主催者に、抗議の電話や
メールを促す書き込みも飛び交った。
苦情メールが届いたことを受け、NHKラジオは十二月十四日に予定していた池内さんの
出演を取りやめた。同二十日、名古屋市の中日文化センターで予定されていた講座も、
2ちゃんねるの「一気にかたをつけるのには、文化センターを血で染め上げることです」
「教室に灯油をぶちまき 火をつければ あっさり終了」などの書き込みを受けて中止された。
警視庁は今年二月二十七日、これらの書き込みをしていた東京都日野市の会社員
小林一美容疑者(45)を脅迫と威力業務妨害容疑で逮捕。小林容疑者は昨年十一月
から逮捕前まで、池内さんにかかわる書き込みを千回以上も繰り返していた。警察の
調べに「池内さんが謝罪をしないので腹が立った」と供述したという。
池内さんは逮捕日にブログを閉鎖し、小林容疑者は三月二十日に起訴された。
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>>2-10につづく)
http://www.chunichi.co.jp/00/kur/20070326/ftu_____kur_____000.shtml