県内最大手のバス会社・関東自動車(本社・宇都宮市)の運転手が、乗務前にアルコール検知器に
反応したにもかかわらず路線バスを運転した問題で、栃木運輸支局は16日、同社駒生営業所に対し、
道路運送法に基づき立ち入り監査した。結果をもとに、同社に対する行政処分を検討するという。
同営業所前には午前10時、栃木運輸支局の監査員が乗った灰色の乗用車2台が到着。
監査員6人が正面玄関から入り、所長らから運転手に対する運行管理が適正だったか事情を聴き、
点呼記録などを調べた。また、鍵の管理や営業所と本社間の連絡体制などを指導した。
監査は約6時間に及んだ。
同社などによると、問題が起きたのは今月6日朝。40歳代の男性運転手が乗務前の点呼の際に
アルコール検知器に反応したため、運行管理者が代わりの運転手を手配しようと目を離した間に、
運転手がバスを運行。乗客延べ36人を乗せて約1時間にわたって走った。
これについて同運輸支局は、検知器に反応したにもかかわらず、乗務させてしまった同社の
指導監督体制を問題視。さらに、飲酒の疑いがある場合の乗務を禁じた道路運送法の旅客自動車
運送事業運輸規則に反した疑いがあるにもかかわらず、発生当日には申告せず、2日後の8日に
なって申告したことも重く見た。
また、昨年10月、別の運転手が検知器に反応したケースについて、同運輸支局から運行管理に
ついての調査や指導を受けたにもかかわらず、再発したことも重視している。
監査を受けて同社は、再発防止策として、これまで検査前に運転手に渡していた鍵を、検査で異常
がないことが確認できるまで渡さないように管理体制を変更したという。
小野口仁常務は「安全運行に対する対策を徹底させて、お客さんの信頼回復に努めていきたい」と
話している。
画像:立ち入り監査に入る栃木運輸支局の監査員
http://mytown.asahi.com/tochigi/k_img_render.php?k_id=09000000703160008&o_id=200&type=kiji 2007年03月17日 朝日新聞
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