★漁を休んでイサキ守ろう 漁業者に支援金
県は、紀南地方の主要魚種であるイサキの資源(生息)量を増やすため、産卵期の5〜7月に、
漁師に一斉休漁してもらう取り組みを2007年度から3年間実施する。休漁で減少する収入は補助金で
一部支援する。3年で水揚げ量にして約40トン(2600万円)を保護することになるとみている。
県水産資源管理課によると、対象は印南町―白浜町の主要漁協所属の約150隻。具体的な内容は
今後各漁協と打ち合わせする。休漁している間は、イサキを狙った巻き網などの漁がないか、漁協に
漁場を監視してもらう。休漁に対する補助は国と県から過去の水揚げ実績に応じて支出する。来年度は
約300万円を計上している。
一方で遊漁船によるイサキの捕獲量も多いという指摘があり、県は遊漁業者らにも協力を呼び掛けると
いう。ただ、支援は漁業者に限られており、今後、遊漁業者との調整が課題になってくる。
1994年からの10年間で県内の漁業生産量が半減。将来的に漁業をする人がいなくなる可能性もあり、
県は水産資源の回復に乗り出した。今回、生態について研究が進んでいるイサキに目を付け、昨年から
「イサキ資源回復計画」として漁礁を海底に沈めるなど、さまざまな取り組みをしている。
イサキの1本釣り漁師が約100人いるという田辺漁協の網本成吉組合長は「イサキの資源回復には
良い取り組み。しかし、遊漁業者との調整がポイントになってくるだろう」と話している。
県内のイサキの漁獲量は、1970年代初め、1000トン前後で推移していたがその後、減少し続け、この
数年は200〜400トンで推移している。県水産試験場(串本町)の算出によると、紀南地方のイサキの資源
量は、2000年度の400万匹をピークに、02年度274万匹、04年度221万匹、06年度177万匹と減少して
いる。さらにこのまま手だてをしなかった場合、10年度には125万匹にまで減少するという。
紀伊民報('07/02/12)
http://www.agara.co.jp/modules/dailynews/article.php?storyid=119658 画像:近年漁獲量が減少しているイサキ
http://www.agara.co.jp/modules/dailynews/newsphoto/1196581.jpg