文化審議会(阿刀田高会長)は2日、これまで「尊敬・謙譲・丁寧」の3分類が
一般的だった敬語を、「尊敬・謙譲I・謙譲II(丁重)・丁寧・美化」の5つに分類、
それぞれの用法を解説した「敬語の指針」を伊吹文明文部科学相に答申した。
新たな分類について、同審議会は「現代の敬語の用法や働きを、より的確に
理解するのが狙い」としている。文化庁は指針の積極活用を働き掛けていく方針だ。
答申では謙譲語について、「伺う」「申し上げる」など、自分の行為の相手への
敬意を示す言葉を「謙譲語I」に分類。
「参る」「申す」などは、以前は「謙譲語I」と同じ働きをする表現だったが、
現在は自分の丁重な気持ちを表現する用法に変化したとして「謙譲語II」に分けた。
また丁寧語のうち「お酒」「お料理」などは特に誰かに敬意を示したり、
丁重に述べたりするものではないため「美化語」として区別した。
指針では、具体的な場面を想定した敬語の使い方について、「電話で同僚の不在を
どう伝えればいいか」「いただくとくださるはどう使い分ければいいか」など
QA方式で36例を示した。
このほか、電子メールなどで、敬語が割愛される傾向がある点に言及。「新しい
コミュニケーション媒体でも、相手や状況へのふさわしい気配りが不可欠」とした。
また「マニュアル敬語」について、レストランでの「ご注文の品はおそろいに
なりましたでしょうか」という誤用例を挙げ、画一的、形式的敬語は「かえって
不快な思いを与える」と指摘。マニュアル作成の際には「敬語を使う時の心遣いや、
場面に即した使用例を具体的に示すこと」などを求めている。
http://www.sankei.co.jp/shakai/wadai/070202/wdi070202002.htm