札幌徳洲会病院 「外傷センター」開設 4月に道内初 救急からリハビリまで一貫診療
札幌徳洲会病院(札幌市白石区、三百一床)は四月から、「北海道外傷・マイクロサージャリー(機能再建型)センター」を開設する。
交通事故や労災事故などの外傷患者を救急治療からリハビリまで一貫して診る施設で、道内では初めて。全国的にも珍しい。
また、百億円を投じ、ヘリポートを備えた新病院も近く建設する方針で、ハード面とともに、救急医療体制を充実させる。
同センターは札医大高度救命救急センターに勤務していたベテラン医師三人ら、計四人の整形外科医が担当。
二十四時間無休で患者を受け入れる。専門の看護師や理学療法士も配置、脳や心臓が重篤な状況になっている
多発外傷を除く救急患者を受け入れる予定だ。
救急医療は当番病院や夜間急病センターなどの初期救急、入院治療を必要とする二次救急、重篤な患者を扱う三次救急に分かれている。
同病院は二次救急を担っており、従来の救急施設を外傷センターに衣替えする。
救急車で搬送される患者の九割以上は、整形外科医が担当する四肢(手足)切断や重度の骨折、皮膚組織損傷などの四肢外傷患者だ。
しかし、救命救急センターの整形外科医は勤務が過酷なことから若手の医師が多い上、救命が重点のため、
本格的な治療やリハビリは他の病院で行われる傾向が強かった。
このため、患部が悪化したり、後遺症が残る患者もいた。
外傷センターは治療体制を一本化し、充実したのが特徴で、ドイツや米国で導入されている。
森利光副院長は「救急の整形外科医は十年以上、経験を積まないと一人前にならないが、現状の外傷治療レベルは極めて低い。
十年以上のベテラン医師をそろえることで、少しでも不幸になる人を減らすとともに整形外科医を九人にまで増員し、
全道から患者を受け入れたい」と話している。
北海道新聞 2007/02/01 08:10
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20070131&j=0045&k=200701312817