さくら市の団体役員の男性(65)が24日、市議会の全員協議会が設置した任意の委員会に、
同市が用紙代などを公費から支出したのは法的根拠がないとして、当時の議長ら同市議2人に
支出分の返還を求めるよう同市に請求する訴訟を宇都宮地裁に起こした。
全国市議会議長会(東京)は「同様の訴訟は聞いたことがない」と指摘。
司法判断によっては全国各地の議会運営に影響を与える可能性もある。
訴状などによると、同市議会は05年12月、全員協議会で同市の前身の旧喜連川町発注工事を
めぐる汚職事件を調査する任意の委員会設置を決定。
調査委は06年6月まで14回の会合を開き、指名選定の実態などを職員らから聴取した。
この際、当時の議長が録音した聴取記録を議会事務局職員に文書化させたり、
議事録作成費用や調査報告を掲載した議会広報誌の発行費を同市に負担させた。
職員の労務費を含め、計約207万円を根拠なく支出したとされる。
関係者によると、調査委の設置条例案は05年11月の臨時会や12月定例会で3度にわたり
議員提案されたが、いずれも反対多数で否決。任意の委員会とすることで議会内で
決着したという。各議会で慣習的に開かれる全協だが、地方自治法上の規定はなく、
決定事項にも法的効力はない。一方、地方自治法100条に基づく調査委や、
常任・特別委員会の決定事項には法的根拠が伴い、公費支出や担当職員の派遣も認められている。
この問題では、男性は同様の請求を求める監査請求をしているが
「任意の委員会だが議会活動と認められる」として請求を棄却。
同市は「訴状を見て対応を検討する」としている。
ソース:
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070125-00000003-mailo-l09