安倍首相の誕生から4カ月。内閣支持率が下げ止まらない。朝日新聞
の世論調査では39%に落ち込んだ。4割を切ったのは初めてだ。
宮沢内閣の在任中の平均支持率は33%で、小渕内閣は37%だった。
39%なら低い数字ではない。むしろ小泉内閣の50%が異常だった――。
首相にすれば、そう反論したいかもしれない。
気持ちは分からないではないが、首相に就任した時の63%から一貫
しての下落である。今回の調査結果からは、首相に対する不信感の
広がりが浮かび上がる。深刻な事態だ。
安倍内閣は強力な内閣か、頼りない内閣か。そう尋ねると、67%もの
人が「頼りない内閣」と答えた。就任直後の34%からほぼ倍に増えた。
(中略)
政治に向ける国民の期待と、実際の政権の取り組みが食い違っている
ことの表れではないか。
「頼りなさ」では民主党も負けない。
「小沢代表では参院選に勝てない」とみる人が61%、「野党第1党の
役割を十分果たしていない」とみる人も69%に及んだ。政党支持率は
微増したとはいえ、安倍自民党から離れた民意の受け皿にはほど遠い
現実である。
参院選まであと半年。2大政党が頼りなさを競うようでは、国民は
選びようがない。無党派層が45%を占めたのはその表れだろう。
小泉時代の05年の郵政総選挙直後は27%だった。
一度の世論調査で決めつけることはできないが、無党派層がこのまま
増え続けて「第1党」の座に定着すれば、政治が漂流しかねない。
安倍政権に求められているのは、政治資金の問題できちんと説明責任
を果たすことだ。政策を評価してもらおうにも、閣僚らに倫理問題が
噴き出したままでは信頼の回復はおぼつかない。
小沢代表らの経理処理に問題が指摘されている民主党にも、同じ責任
があるはずだ。
ソース(朝日新聞・社説)
http://www.asahi.com/paper/editorial20070123.html