【企業】 電子レンジで金属溶かするつぼ 各務原のベンチャー企業開発 岐阜

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 家庭用の電子レンジを使い、5〜6分加熱するだけで金属を溶かすことができる「電子レンジるつぼ」=写真=を、
各務原市のベンチャー企業「シーエムシー技術開発」(河辺憲次社長)が開発した。

るつぼの温度を数分で高温にする専用の電気炉は、数百万円と高価な商品だっただけに、研究などで金属溶解が
必要な中小企業に用途が広がりそうだ。

 るつぼには、岐阜大学工学部の元島栖二(せいじ)教授が開発した炭素繊維「カーボンマイクロコイル■」を使用した。
カーボンマイクロコイルが電磁波を吸収し、熱エネルギーに変換させる仕組みがあることに注目。
カーボンマイクロコイルを含んだるつぼを、電子レンジにかけてマイクロ波を照射し、発熱させることに成功した。

 るつぼの容積は鶏卵1個が入る約60立方センチ・メートルで、5〜6分で1000度以上、約15分で1200度になる。
「内部からムラなく加熱することができる」と同社は説明している。

 作業はまず、電子レンジを傷めないように、セラミック製の耐熱板を土台としてレンジ皿に載せる。
そして、金属を入れたるつぼの熱が逃げないように断熱容器に入れ、レンジで数分間加熱する。
河辺社長は「企業の研究や分析などの幅を一気に広げてくれる」とPRする。

■カーボンマイクロコイル 2本の繊維がお互いに巻き合った二重のらせん状構造。
溶接に使われる「アセチレンガス」に微量の硫黄を加え、ニッケルなどの金属とともに700〜800度で熱分解すると合成される。
コイルの太さは1マイクロ・メートル(1マイクロ・メートルは1ミリの千分の1)から10マイクロ・メートルで、髪の毛の10分の1から
100分の1の太さ。バネのように伸び縮みし、医療機器の誤作動などで問題となる「電磁波」を吸収して熱エネルギーに変える働きなどがある。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gifu/news002.htm