・ゲーム業界にとって、年末年始商戦は正念場。保護者にとって心配なのは、テレビゲームが
子供に悪影響を与えないかどうか。お茶の水女子大の坂元章教授(社会心理学)に、「家庭での
テレビゲームのルール」について聞いた。
「ゲーム機やソフトが進歩する一方で、ゲームリテラシー教育が進んでいないのは事実ですね」
坂元教授によると、さまざまな実験をしたところ、暴力が正当化されている▽暴力を振るうことで
報酬が得られる▽主人公が魅力的に描かれている場合、個人差はあるものの、暴力シーンが
多いシューティングゲームをやることで、プレーヤーの暴力的傾向が助長されるという。
ただその場合でも、暴力が正当化される理由は何か▽なぜ、主人公は暴力を振るわないと
いけないのか▽倒された者の家族はどんな気持ちか−など、「ゲームに描かれていないもの」を
考えることで、暴力は「ゲームの中のもの」と理解させることは可能だという。
ゲームリテラシー教育とは、子供にゲームに描かれていない背景、制作者の意図まで理解
させ、子供がゲームにコントロールされないように教えることだ。
そのためには、「保護者の役割が重要ですね。子供が小さいころに、きちんとゲームリテラシー
教育をすることが必要。幼稚園でも早すぎることはありません」と坂元教授。
では、保護者は何をすればいいのか。
「無理やりゲームを取り上げるのは逆効果。親が子供のゲームソフトを理解し、ゲームに
ついて会話をすること。そして、子供自身に『わが家のゲームの決まり』を作らせることです」。
子供が自発的にルールを決めることで、ゲームに対する「自立心」を養うことができるという。
坂元教授は、家庭で作るルールとして次のようなものを挙げる。
子供部屋にゲーム機を置かない▽ゲームをしない日をつくる▽子供の年齢にふさわしい内容か
どうか、レーティング(格付け)を確認する▽子供と一緒に同じゲームで遊ぶ−などだ。
週に1日でもゲームをしない日をつくり、さまざまな体験をさせることも大切。ゲームをしない
ことで別の楽しみを体験できるようになれば、ゲームと子供の距離感も出てくる。(抜粋)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/life/pet/33038/