元看護師「消毒液で化学物質過敏症」、地裁が病院に賠償命令
勤務先の病院での消毒液が原因で化学物質過敏症になったとして、
大阪市内の元看護師、岡沢丸美さん(51)が病院を経営する日本海員掖済会(東京)に
約2500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が25日、大阪地裁であった。
大島真一裁判長は病院側の対策の不備を認めたうえで、
後遺症による逸失利益を含め約1000万円の支払いを命じた。
岡沢さん側の弁護士によると、化学物質過敏症を後遺症と認めた判決は珍しいという。
判決によると、岡沢さんは1998年から大阪掖済会病院(大阪市)で医療器具の消毒を担当。
換気扇がない部屋で消毒液を扱い、口内炎や呼吸困難などになった。
3年後に退職し、化学物質過敏症と診断され、外出が困難になったという。
大島裁判長は判決理由で、消毒液の説明書に換気などの必要性が記載されていたことなどから
「病院側は健康被害が出ることを予見できたのに対策を怠った」と指摘。
同過敏症を後遺症と認定し、その影響で岡沢さんが医療機関で働けなくなったと認めた。(23:00)
日本経済新聞
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20061226AT1G2504125122006.html