★気になる「愛国教育」 週のはじめに考える
「国を愛する態度を養う」ことが教育の目標に加えられました。
さまざまな危うさを感じます。「いつか来た道」にならないか。
ことし一番心配になったことです。
「改正教育基本法などは、戦後レジーム(体制)から脱却して、
新たな国づくりをする礎です。この国会での成立は大きな第一歩です」
安倍晋三首相は、臨時国会後の記者会見で満足な表情を見せました。
長年の念願だった教育基本法が五十九年ぶりに改定され、
目標として「我が国と郷土を愛する…態度を養う」(第二条)という文言が盛り込まれたからです。
しかし、国会審議が順調にいったわけではありません。
◆戦前の教訓を忘れずに
「『国を愛する態度』とは、歴史や文化、伝統、自然を愛する気持ちをはぐくむことだ。
統治機構としての国が行うことを愛せよということではない」
安倍首相は、こうした答弁を何回も繰り返しました。
「愛国教育」に数多くの懸念や疑問、心配がぶつけられたためです。
一つは戦前の「愛国教育」の“後遺症”のためです。
時の軍部独裁政権は「忠君愛国」の名のもとに国論を統一し、
「国のために命をささげる」教育を徹底しました。その結果、「一億火の玉」、
無謀な戦争に突入して、この国は亡国寸前の憂き目を見ました。
さらに、時々の政治課題や経済の動き、世の中の風潮と関係ない
純粋培養のような愛国心はあり得るのかという疑問もあります。
新基本法では「教育の中立」を残しながらも、
わざわざ「法律の定めるところにより行う」という文言を付け加えました。
法律に基づく指導や通達の効力が強化される、教育の現場からの心配です。
「国を愛する態度」の表し方を文部科学省や教育委員会が決め、
学校へ指示、命令することはないのか。(続く)
中日新聞
http://www.chunichi.co.jp/00/sha/20061224/col_____sha_____000.shtml 続きは
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