>>20続き
永六輔氏は、何というか。
「僕はあの日、3時に来いと言われて会場に向かったんですけど、車が渋滞して遅れ、3時半に到着したんです。
だから、そのコント自体、見てもいないし、全然わからないですよ。だから『週刊金曜日』に聞いてくださいな」
と、知らぬ存ぜぬだ。
石倉氏に比べて、二人は何とも歯切れが悪い。矢崎氏と中山女史に至っては、取材申し込みに対して、梨の礫だ。
永氏は、かつて、童謡『七つの子』など野口雨情の名作を根拠もなく「強制連行された朝鮮人の歌」などと言ってのけ、
関係者を激怒させた“前科”がある。
その関係者の一人、作曲家のすぎやまこういち氏は、今回のことをこう語る。
「そうですか。まだ(永氏らは)そんなことをやっているのですか。呆れますね。下品です。
自分に置き換えて考えてみればいい。自分の孫が猿のぬいぐるみにされて、放り投げられたり、
病気のことを揶揄されたりしてごらんなさい。人権に対する意識も何もない。
彼らは、いつもは人権、人権というくせに、実はそれが彼らの正体なんですよ。」
主催者である『週刊金曜日』の北村肇編集長は、同誌の編集後記でこの集会の模様をこう記している。
<冷たい秋雨の中、2000人近い人びとが集まった。不思議なほどに穏やかな空気が会場には流れ途切れなかった。
永田町の住人に対する、満々たる怒りを深く共有しながら、しかし、そこに絶望はなかった>
“反権力”とやらに酔った人々──彼らに付ける薬は、果してあるのだろうか。
ソース:週刊新潮 12月7日号 30-32ページ (エマニエル坊やがテキスト化)