★シリア、イラクに接近
【テヘラン=加賀谷和樹】イラクを訪問した隣国シリアのムアレム外相は19日、
ジバリ外相と会談、イラク安定のための国境警備で両国の連携強化を確認した。
20日にはイラクのマリキ首相、タラバーニ大統領らと会談した。
イラク戦争開戦後にシリアの閣僚がイラクを訪問したのは初めて。
中東政策の変更を模索する米国の意向が影響したとの観測も出ている。
ムアレム外相はジバリ外相との会談後の記者会見で「シリアはイラクの
統一維持に向け全力を注ぐ」と述べ、シリア経由でイラクに入るテロリストの
越境阻止に協力すると表明。一方、「多国籍軍のイラクからの撤収日程の確定が
イラク安定につながる」と指摘、米軍が主導する多国籍軍の早期撤退を求めた。
イラクは旧フセイン政権時代の1980年、シリアとの外交関係を断絶。
同国がイラン・イラク戦争でイラン側を支援したことなどから対立は深まった。
だがフセイン政権崩壊後は、シリアの同盟国イランもイラクに急接近している。
ムアレム外相はマリキ首相らとの会談で国交正常化に言及する可能性がある。
日経新聞
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20061120AT2M2001L20112006.html