複数のインターネットサイトを通じ、「合法ドラッグ」と称して薬物を販売し
ていた東京都内の元輸入雑貨販売業者が05年までの2年間で約1億3000
万円の所得を隠し、約4000万円を脱税したとして、東京国税局から所得税
法違反(脱税)の疑いで東京地検に告発されたことが分かった。こうした薬物
は、法律で所持や使用が禁止されていなかったため、「合法・脱法ドラッグ」
と呼ばれた。しかし、依存性が強く体に悪影響を及ぼすことなどから、最近に
なって多くの薬物が相次いで麻薬指定されるなど法規制が強化されている。
告発されたのは、「Rhythm Lab(リズムラボ)」や「PSY CU
BE(サイキューブ)」などの名前で薬物を販売していた渋谷区恵比寿1丁目
の小川敦史元代表(32)。
関係者によると、小川元代表は複数のインターネットサイトに、「合法ドラッ
グ・高純度ケミカル激安販売店」などと広告を掲載。「研究用試薬」と称し、
幻覚作用があるとして海外で広まっている「AMT」や「5―MeO―DIP
T(ゴメオ・ディプト)」などの薬物を顧客に販売していた。
麻薬と似た作用を持ちながら手軽に入手できたこうした薬物はかつて、「合法
ドラッグ」や「脱法ドラッグ」と呼ばれ、インターネットや繁華街などで公然
と売買され、主に若者らの間で広まっていた。末端価格は仕入れの10〜20
倍で利益率が高いとされ、1カ月に1000万円以上の売り上げがあった業者
も多かったという。
関係者によると、小川元代表は04年は売り上げの一部を除外する手口で、0
5年は全く申告せずに計約1億3000万円の所得を隠し、約4000万円の
所得税を免れていたとされる。顧客からの代金は従業員名義の口座に振り込ま
せるなどし、脱税した金は預金や現金の形で保管していたという。
小川元代表は7日までの朝日新聞の取材に回答しなかった。
http://www.asahi.com/national/update/1107/TKY200611070375.html