・奈良県大淀町の町立大淀病院で8月、分娩中に重体となった妊婦(当時32)が県内外の
19病院に搬送を断られ、出産後に脳内出血で死亡した問題で、妊婦は意識を失った後、
約1時間20分も治療を受けずに放置されていたことが、朝日新聞が入手した同病院の
看護記録でわかった。主治医らは単なる失神と判断し、病床を離れていた。
看護記録は、助産師が作成した分娩経過記録(パルトグラム)と看護日誌。それらによると、
妊婦は出産予定日が過ぎた8月7日午前に入院したが、翌8日午前0時、「こめかみが
痛い」と訴えて嘔吐し、約15分後、「意識消失」した。当直の内科医が診察し、「失神でしょう」。
主治医もその意見に従い、妊婦のそばを離れたとされる。
だが、午前1時37分、妊婦は意識が戻らないまま手足が棒のように硬く突っ張る「強直性の
けいれん」を起こし、「瞳孔開大」となった。駆けつけた主治医は、子癇発作に有効とされる
薬剤を投与。緊急の帝王切開をするため、搬送先の病院を探し始めた。
同4時半、妊婦は「呼吸困難」となり、酸素を送り込むための「挿管開始」。20分後、救急車で
大阪府吹田市の国立循環器病センターに向けて搬送されたという。
この看護記録を見た日本産科婦人科学会の専門医は「意識を失った患者には医師が
付き添い、原因を調べなければならない。けいれんが起きるまで1時間以上放置したのは
信じられない行為」と驚く。
さらに、「子癇の場合、妊婦のケースとは逆に瞳孔が狭まる傾向があり、手足が大きく
震えるけいれんが伴う」と主治医の診断に疑問を呈し、「子癇と違う症状が出た時点で
脳疾患を強く疑うべきだった。けいれんが収まった時点でCT検査ができたし、その時点で
脳内出血が判明していれば、ここまで受け入れが拒否される事態にはならなかったのでは
ないか」と指摘する。
妊婦の死後、遺族が主治医に、再び病床に戻るまでの1時間余、何をしていたのかを
尋ねたところ、「仮眠室で寝ていました」と告げられたという。 (一部略)
http://www.asahi.com/national/update/1020/OSK200610200045.html ※前:
http://news19.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1161327558/