2006年10月19日06時17分
厚生労働省は、抗がん剤「イレッサ」で多数の死者を出した「間質性肺炎」など、薬の副作用による
九つの重い疾患についての安全対策マニュアルの原案をまとめた。早期発見と症状の悪化を防ぐの
が目的で、19日に専門家の検討会を開き、正式に決める。医療従事者だけでなく、患者も参考にで
きるようにホームページで公開する。08年度中には対象疾患を120に拡大する方針だ。
今回、マニュアルを作るのは「間質性肺炎」のほか、皮膚がただれて失明や死に至ることもある「ス
ティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)」、筋肉細胞が壊れる「横紋筋融解症」、「アスピリンぜんそく」
など。
薬の添付文書には副作用の可能性が書いてあるが、例えば、SJSを引き起こす薬は、かぜ薬や
抗菌剤など市販品も含め200種類以上ある。
副作用による疾患は、特に初期の段階は、かかりつけの医師では気づかないことも多く、悪化する
ケースもなくならない。このため同省は、赤い発疹が広がったり水疱(すいほう)ができたりしたらSJ
Sを疑うなど、症状から副作用の可能性をたどることができる手引が必要と判断、関係学会と協力し、
内容を詰めていた。
マニュアルでは、副作用による疾患の初期症状や、原因として考えられる薬、その服薬期間、治療
方法などを紹介する。患者向けと、医師や看護師ら医療従事者向けの2部構成。副作用被害の救済
などに取り組む「医薬品医療機器総合機構」のホームページに、近く掲載する。
ソース
http://www.asahi.com/life/update/1019/003.html