>>458の続き
困ったキリギリスさんは、魔法使いの「3人日本」に相談してみました。
「3人日本」は病気の子供を救うプロです。しかもそれだけでなく、不思議な錬金術で
子供の両親や親戚にサッカー観戦や高級外車の購入までおまけに付けてくれます。
相談を受けた「3人日本」は、いつも通りの魔法の呪文を唱えました。
するとどうでしょう。あっという間にきれいなホームページや
言ったことも書いたことも無いテンプレの挨拶文や、曖昧な病気の診断文書、
綺麗なノボリを立てておそろいのユニフォームを着たボランティアまで現れるではないですか!
喜んだキリギリスさんは蟻さんに頼みます。
「おら。ありんこ、俺の子供が死にそうだ。この特別製チラシの笑顔見てくれよ。
かわいそうだろ?な?まだ4歳でこんなかわいいのによ。ひどいだろ?な?
今すぐ大金用意しないと死んじゃうんだよ。かわいそうだと思うなら
銀行口座用意したからそこに金入れてくれ。後ろのボランティアの募金箱でもいいぞ。」
キリギリスさんは熱烈にアピールします。テレビで、都庁で、地元の掲示板で、mixiで。
コンサートも開きます。ひいきの取引先にも頼みます。素晴らしい人脈と、
熱烈なパワーで一個人を救うには見たこともない一大キャンペーンを繰り広げます。
かわいそうに思った蟻さんは薄い財布からお金を投げ込みます。
お買い物中にノボリ隊につかまった蟻さんもお金を投げ込みます。
「赤蕪小僧」と言うご飯の配達屋さんは、ご飯といっしょに寄付の注文も受け付けました。
他のいくつかの会社でも、働く蟻さんから寄付を募ろうと声が上がります。
つづく。