菅義偉総務相は11日の参院予算委員会で、北朝鮮に拉致された可能性を排除できない
行方不明者を調べている「特定失踪(しっそう)者問題調査会」(荒木和博代表)が北朝鮮
向けに流している短波ラジオ放送「しおかぜ」を、政府として支援していく方針を明らかにした。
「しおかぜ」は昨年10月から始まり、当初は特定失踪者や拉致被害者の氏名などを読み
上げるだけだったが、段階的に放送内容をリニューアル。ニュースのほか、家族の手紙を
読み上げたり、生の声のメッセージなども流している。
午前5時半から同6時と、午後10時から同10時半までの毎日2回の放送は海外の電波
配信会社に委託。北朝鮮側は再三、妨害電波を流しており、周波数の変更などを余儀なく
されている。
放送委託料や周波数の変更、諸経費など月額120−130万円がかかっているといい、
費用はすべてカンパでまかなわれている。
総務省は、NHKが国際放送を行っている茨城県内の送信施設を「しおかぜ」の放送の
ため利用できるかどうかを検討。新たな周波数の確保が必要な場合は、国際電気通信連合
に働きかける考えを示した。近く調査会などから意見を聞くことにしている。
荒木代表は「政府が(放送に)関心を持ってくれるのはありがたい。具体的な協力が
得られれば、拉致問題の解決には必ずプラスになる」と歓迎。「しおかぜ」担当の村尾
健児理事も「国内の送信施設を使えるのなら、コストの負担を大きく減らせる」と話している。
北朝鮮では「しおかぜ」のほか、米国の「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」や米政府
系の「自由アジア放送」、ソウル在住の脱北者が運営する「自由北朝鮮放送」などが聴取でき、
脱北者の約7割がVOAなどの短波放送を聴いていたとの調査結果もある。
(後略)
■ソース(産経新聞・iza)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/22921/