政府は3日、安倍晋三首相が政権の目玉としている「教育再生会議」の設置を
6日にも閣議決定する方針を固め、有識者メンバーの人選について大詰めの作業
を行った。座長はノーベル化学賞受賞者で国立理化学研究所の野依良治理事長を
軸に調整しているほか、事務局長には「ヤンキー先生」の愛称で知られる横浜市
教委の義家弘介・教育委員を充てる方向だ。メンバーにはJR東海の葛西敬之会長
の起用も調整している。公明党は有識者1人を推薦し、党幹部1人のオブザーバー
参加を加えた「2枠」を求めている。政府は4日にもメンバーを正式に発表したい
考えだ。
教育再生会議は公教育の再生を目指し、専門家の立場から協議するため新設される
組織で、安倍政権が掲げる「教育再生」のエンジンに位置づけられている。
首相は政権の優先課題として「すべての子供に高い学力と規範意識を身につける
機会を保障するため公教育を再生する」ことを公約した。基礎学力強化プログラム
の推進や教員免許の更新制、学校の外部監査制確立などを具体策にあげており、
教育再生会議では詳細な制度設計や実施に向けたスケジュールなどを策定し、来年
3月に中間報告をまとめる。
メンバーには学識経験者ら有識者10人程度を起用し、事務局長にも民間人を
登用する方針。安倍首相、伊吹文明文部科学相、塩崎恭久官房長官ら関係閣僚や
山谷えり子首相補佐官(教育再生担当)も加わる。
有識者の人選は、山谷補佐官を中心に40人程度の候補者リストを作成。3日
には十数人程度に絞り込み、野依、葛西両氏のほか、資生堂の池田守男相談役、
京都市教委の門川大作教育長らに就任を要請した。
政府が有識者メンバーの司令塔役として期待する野依、葛西両氏はいずれも
教育問題に関心が高く、従来の教育行政のあり方とは異なる「民間の視点」から
の教育見直し論議にふさわしい人材と判断された。義家氏は、教員経験や自らの
体験を通し、現状にあった対策を検討できるとして事務局長就任が打診された。
(続く)
■ソース(産経新聞・iza)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/dompolicy/21851/