★入場待ちの観客転倒5、6人けが 高砂市野球場
「のじぎく兵庫国体」硬式高校野球会場の高砂市野球場(同市米田町島)で三十日午前四時
十分ごろ、入場整理券待ちの客の一部が後ろから押され転倒、五、六人が打撲やかすり傷の
軽いけがをした。この日は硬式野球開始式で、早稲田実業の斎藤佑樹投手ら人気選手が登場。
事故当時、徹夜組約千二百人が並んでいたが、兵庫県警の警備は午前五時からの計画で、
市と民間の警備員しかおらず、雑踏警備のあり方が問われそうだ。
高砂署と同国体高砂市実施本部などによると、転倒したのは、発券ゲートの最前列から
約十列目の五、六人。東京都国立市の女性(52)が右ひざにすり傷、その娘(26)が右手首に
打撲を負うなどしたが、全員が「治療の必要はない」と、そのまま入場した。
事故は、警備員が「前に詰めてください」と声をかけたところ、座っていた客が起立、後方で
待っていた人もつられて立ち上がり、ゲート付近へ押し寄せ、次々に人が倒れたという。
最前列にいた姫路市的形町のパート女性(40)は「警備員は並ばせようとしたが、柵の外から
も人が入ってきて『押すな』『詰めろ』という声が聞こえた」と話した。
事故当時の警備体制は高砂市職員三人、民間警備員六人。警備計画では、高砂署と兵庫県警
の警ら活動は、午前五時からになっていたため、警察官は会場周辺をパトロールしていたが、
現場にはいなかった。
整理券は、予定を早め午前七時前から配布された。
事故を受け、同本部は同日夕から市職員二十人、警察官十五人、警備員十六人の警備体制に
することを決め、状況を見てさらに増員を検討する。
直前に確認事故兆候なし 県警
転倒事故について、兵庫県警地域指導課は「時間的余裕があると判断し、整理券発券二時間前
からの警備を計画した」と説明。「事故直前にも警察官が発券ゲート前に立ち寄り、列の様子を
確認していたが、待ち客はシートに座って整然と並んでおり、事故の兆候はなかった」としている。
神戸新聞 2006/09/30
http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sg/0000125513.shtml