30代がん罹患率、女性は2倍 乳、子宮での発症急増
日本人女性は20代後半から乳がんや子宮がんの発症が急増し、30代のがん罹患率は
同世代の男性の2倍以上とした分析結果を、厚生労働省研究班(主任研究者・祖父江友孝
国立がんセンター情報研究部長)がまとめた。横浜市で開催中の日本癌(がん)学会で30日発表する。
10代後半から30代のがんは比較的、治療成績が良いため死亡データなどから
把握しにくく、詳しい罹患傾向が分かっていなかった。
分析に当たった同センター情報研究部の丸亀知美研究員は「育児や働き盛りの世代の実態が明らかに
なったことで、社会的損失を減らすためのきめの細かいがん対策が可能になるのでは」と指摘している。
研究班は、大阪府など15府県が平成5年から13年まで、地域がん登録で集めた約137万人の患者データを解析した。
1年間に新たにがんと診断される人は、年齢が上がるとともに増加。男性では30代前半は
人口10万人当たり27人、同後半は50人だったのに対し、女性は30代前半が67人、同後半が
115人だった。これに伴い30代では女性の罹患率は男性の2.3〜2.5倍だった。
乳がんや子宮がんが20代後半から急増しているためで、30代では女性がかかるすべての
がんのうち、乳がんと子宮がんが約60%を占めていた。
45歳以降は、たばこや食生活などと関連が深い胃がんや肺がんが増加傾向となり、がん全体の罹患率は男性が上回った。
http://www.sankei.co.jp/news/060929/sha017.htm