網走管内斜里町の世界自然遺産登録地域で、ヒグマと釣り人らが遭遇する事態が
二件相次いで起きている。川を上り始めたカラフトマス目当てのヒグマが多数出没する
シーズンで、知床の自然保護にあたる財団法人「知床財団」はヒグマとの遭遇を
避けるよう注意を呼びかけている。
七日午前十時ごろ、幌別川河口でマス釣りをしていた男性にヒグマが近づき、男性が
あわてて逃げ、河原にリュックサックを置き去りにしたところクマはそれをくわえて立ち去った。
通報を受けた知床財団のスタッフがクマを追い払い、近くでリュックを回収したが、中の
パンが食べられていた。幌別川河口付近には連日二、三十人の釣り人が来ている。
十日前の八月二十八日未明には、知床半島中央部の西海岸で、シーカヤックの
五人グループが野営中、女性二人のテントが外側から大きなものにのしかかられた。
恐怖にかられながらもテントを三、四回押し返して息をつめていると、「大きなもの」は
去った。約三十分後、仲間が屋外を見ると、近くに一、二歳のヒグマがおり、大声で
威嚇して追い払った。女性たちにけがはなかった。
知床財団によると、斜里町内での今年のヒグマ目撃情報は八日までに、約四百八十件で、
例年より若干少なめという。
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20060909&j=0022&k=200609090096