がん医療向上へ中核病院と協議会 拠点病院指定の熊大 今秋にも
熊本大医学部付属病院(熊本市)が今秋にも県内十数カ所の中核病院とがん診療の連携を図る協議会を設置す
る方針を明らかにした。同病院は厚生労働省の「都道府県がん診療連携拠点病院」に指定されている。がん専門
医の養成や患者データの解析、緩和ケアの充実などに取り組み、県内全域のがん医療水準の向上を目指す。
■専門医やケア充実へ
拠点病院は国の「第3次対がん10カ年総合戦略」に基づき、都道府県ごとに1施設程度が整備される予定。
厚労省は第1陣として8月末に全国の16施設を指定、九州では熊大と鹿児島大学の付属病院が選ばれている。
協議会の設置は拠点病院の役割の1つ。熊大病院では11月ごろを目途に準備を進め、熊本市立市民病院など
県内11医療圏の中核病院に参加を呼び掛ける。熊大病院の「がん診療センター」に事務局を置き、抗がん剤を
扱う化学療法専門医の養成や県内医療機関に登録された、がん患者のデータ解析、緩和ケアなどの部会を設ける
ことを検討しているという。
「各病院にはそれぞれ、胃がんや肺がんなどの得意分野がある。中核病院とのネットワークの中で情報の共有
や役割分担が進めば、がん医療水準の向上につながる」と倉津淳一・熊大病院長。
県内では1980年以降、がんは死因の第1位。県は6月のがん対策基本法の成立を受け、2007年度中に
がん対策推進の基本計画を策定する予定で「熊大病院と連携し、県内どこでも患者が質の高いがん医療が受けら
れる地域医療体制を整えたい」(県健康づくり推進課)としている。
=2006/09/07付 西日本新聞朝刊=
2006年09月07日00時38分
ソース:
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/local/kumamoto/20060907/20060907_002.shtml