口を健康に 県 介護予防でモデル事業 田辺市などで機能向上教室
食生活の基本となる「口の健康」に着目し、お年寄りが介護状態になるのを防ごうという県のモデル事業が9
月、田辺市と橋本市で始まる。「口腔(こうくう)機能向上教室」と題し、口内、栄養などについて指導する。
教室の結果を踏まえ、県内各地で同様の取り組みを広める。田辺市やすらぎ対策課は「注目されている介護予防
に関する情報を蓄積するための貴重な機会」と話している。
田辺市は、同市磯間にある老人憩いの家「松風荘」で、9月中旬から12月初旬まで毎週、いきがいデイサービ
スの利用者20人前後を対象に指導する。指導するのは市の歯科衛生士、保健師、理学療法士ら。
口内の機能が低下すると、栄養状態が悪くなるだけでなく、運動能力が低下したり、認知症などの病気が進ん
だりする場合もあるという。このため、介護予防の分野では口内の手入れが重視され始めている。
教室では、口や舌の体操や発声練習をしたり、食事を取りながら栄養について学んだり、歯磨きや入れ歯の清
掃をしたりする。足の指を鍛える体操など、足腰の筋力向上のための運動も取り入れる。
同課によると、お年寄りの多くは口内の衰えを意識していない。「まずは自分の口内について知ってもらい、
生活習慣の改善とお年寄りの自立を促したい」と話す。
期間終了後、結果を県と県歯科医師会、県歯科衛生士会に報告し、実施した内容を検証する。来春ごろには結
果をまとめ、県内の各市町村に報告する。市は将来的に、要支援・要介護になる恐れのある、特定高齢者などを
主な対象にしたいと考えている。
ソース:
http://www.agara.co.jp/DAILY/20060901/20060901_002.html 画像:
【田辺市天神崎のやすらぎ荘で、足指の体操をするデイサービス利用者ら(6月、田辺市提供)】
http://www.agara.co.jp/image/daily/2006-09/20060901/20060901_002_01.jpg