治験拠点の40病院選定へ
新薬開発、競争力アップ…厚労省方針
厚生労働省は来年度、新薬の臨床試験(治験)を行う能力が高い全国40か所の医療機関を「治験拠点病院」
に選定し、重点的に支援する方針を決めた。
新薬の開発競争が欧米を中心に激しさを増すなか、「治験の空洞化」が指摘されている国内の体制を整え、国
際競争力を高める狙いだ。
同省は拠点病院の緊急整備費として来年度予算で1医療機関あたり2500万円、計10億円を概算要求。来
年度初めに、大学病院を中心に40か所を選定する。拠点病院では、治験に詳しい医師や、患者と医師の橋渡し
役となる「治験コーディネーター」、治験情報を管理する「データマネジャー」など、治験を効率的に進めるス
タッフを充実させる。また、治験データを電子化するなどして、質の高い治験を実施する体制を確保し、時間短
縮も図る。
米国では、同様の拠点病院が80か所あり、治験の質を確保している。同省は今後、拠点病院を中心とした治
験体制の改革を、5年計画で進めるとしている。
治験は1997年に国内の実施基準が変更され、実施ルールを厳格化。日本企業や研究機関が開発した新薬の
候補物質が、国内の治験が難しいため海外で先に開発されたり、海外で開発された抗がん剤の承認が国内で遅れ
たりするなどの弊害が出ている。
(2006年8月26日��読売新聞)
ソース:
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20060826ik07.htm