沖縄戦当時の渡嘉敷島や座間味島での「集団自決」は「軍命ではなかった」などと
して、元日本軍隊長や隊長の遺族が作家の大江健三郎さんや岩波書店を相手に著書の
出版差し止めなどを求めている「集団自決」訴訟を考えるシンポジウムが16日夕、
平和運動家の崎原盛秀さんら3氏の呼び掛けで読谷村「金城実アトリエ・屋外スペー
ス」で開かれた。
パネリストたちは、争点となっている「軍命の有無」について「集団自決に至るま
でに、住民に対する絶え間ない戦争への誘導があった点で軍命はあったと言える」な
どと指摘。「原告側は沖縄戦の歴史をわい曲している」と批判し、訴訟を機に沖縄戦
の体験継承の強化に向けて継承の在り方を再考することなどを提起した。
訴訟の経緯を説明した岩波書店「世界」編集長の岡本厚さんは「軍命は、隊長の発
言の有無にわい小化せず、日本軍第32軍が住民を巻き込む戦術だったことなど全体
をとらえるべきだ」と強調。「原告側の狙いは非戦の原点である『軍隊は住民を守ら
ない』という沖縄戦の教訓を打ち壊し、有事法制下で住民と軍隊の連携関係をつくら
せることだ」と指摘した。
琉大教授の保坂広志さんは「沖縄戦は『沈黙の岩盤』と言われるほど生存者の大多
数が深いトラウマ(心の傷)を負い、体験を語れないでいる。訴訟で新たなトラウマ
を沖縄に発生させてはならない」と語気を強め、「沖縄が語るべきは敵か味方かでは
なく、国家の戦争は許さない、命こそ大切ということだ」と訴えた。
沖縄大助教授の屋嘉比収さんは「右翼が訴訟を通して歴史研究上ではなく、マスコ
ミなどを狙い、一般認識の転換を図っている。戦争体験者が1割を切った今、過去の
家永教科書裁判などの組織的支援態勢や『集団自決』研究を検証し、新たな態勢を再
構築すべきだ」などと提唱した。
■ソース(琉球新報) - 7月17日10時18分更新
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-15475-storytopic-1.html ■前スレ(1の立った日時 07/17(月) 13:21)
http://news19.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1153110119/