★「おばあちゃん子」の悲劇…奈良母子3人放火殺人事件
・奈良県田原本町の自宅に火をつけ、母と弟妹3人を殺害したとして、放火と殺人容疑で
私立高1年の長男(16)が逮捕された事件で、父親の医師(47)も中学生のころから、
実母である長男の祖母に、厳しく受験勉強を指導されていたことが25日、近所の住民の
証言でわかった。
長男の家系は総合病院の部長である父親だけでなく、亡くなった母親(享年38歳)も医師。
医者の娘だった祖母は薬剤師。父親の姉も薬剤師の資格を持ち、勤務医と結婚しており、
まさに絵にかいたようなエリート家系。その家庭環境で父親も実母である長男の祖母から、
勉強に関し厳しく教育されていたという。
近所の住民は、父親について「小学校までは近くで同級生と遊んでいるのを見かけたが、
個人塾に通い始めた中学からは遊んでる様子もなかった。お母さん(祖母)は頭が良く
しっかり者で、(父親に対し)医者へのレールを敷いていたと思う」と明かす。
別の住民は「親せきは医者ばっかり。おばあさんが厳格で、お父さんも自分でなりたかった
というより、将来のレールを敷かれて医者になった」と回想。父親の長男への期待を想像して
「医者になれ、というプレッシャーは相当あっただろう」と話した。
「(父親は)長男にいつも勉強、勉強と言っていた」(近所の女性)という。深夜まで付きっきりで
教えることもあった。母親についても、中学時代の担任の目には「1、2年のころは、母親は
父親の意向に添って長男と接していたようで、ぎくしゃくしていた」と映っていた。長男は「すぐ
告げ口する母も恨んでいた」と供述しているという。
長男は、小学校以来の友人に「漫画やゲームも好きだったけど、父にやめさせられた」
「成績が下がるとすぐ殴る」と打ち明けていた。「おばあちゃん子」だったという長男が凶行に
至った原因のひとつが、祖母から父親へ、父親から長男へ受け継がれたスパルタ教育
だったとすれば、皮肉な結果としかいいようがない。(一部略)
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20060626-OHT1T00019.htm