高松塚古墳の壁画の傷、新たに5カ所 修復作業中
2006年05月11日16時03分
奈良県明日香村の特別史跡・高松塚古墳で、修復の作業中に国宝の壁画5カ所に傷をつけていたことが文化庁
の内部調査で明らかになった。絵のない部分の下地に傷がついた。電気スタンドを接触させて西壁の男子像の中
央部がはがれ落ちていたことが4月に明るみに出たが、ほかにも同様の不手際が発表されずにいた。
文化庁が設けた調査委員会(委員長=石澤良昭・上智大学長)の2回目の会合が11日夜に東京で開かれ、報
告される。
西壁での傷の発覚を受けて文化庁は関係者からの聞き取り調査と、記録類の点検を進めてきた。その結果、作
業中に壁に触れたための傷が、西壁のほかに5カ所で発生していたことがわかった。いずれも絵のない部分で、
その後に修理をしていた。1〜2カ所はカビ落としを試したという。
また、文化庁職員と、保存・修復を担当している東京文化財研究所職員が防護服を着ないで作業していたこと
も明らかになった。石室と保存施設との間の「取り合い部」で撮影した写真に、写っていた。
マニュアルでは石室内での作業で防護服の着用が定められている。この時の作業は石室外だったが、石室のふ
たは開いた状態だったといい、文化庁は「意識が低かったと反省している」と話している。
今年4月に、これとは別の工事業者が、防護服を着用せずに作業したことが判明。国宝の壁画にカビが発生し
た原因との指摘もでている。
ソース:
http://www.asahi.com/culture/update/0511/023.html