南米ペルーのトレド大統領は22日、同国南部チリとの国境に近い
ウビナス山(標高5670メートル)の噴火に伴い、同地域に非常事態
宣言を発令した。生活の基盤が失われるとして避難を拒否していた
約200人の地元住民は同日、出動した軍隊に伴われ、火山灰などの
影響がない町アレキパへ移動した。
首都リマの南東約900キロにあるウビナス山は、今月初めから火山
活動が活発化し、今月20日に噴火。火山性ガスや火山灰を吹き出し、
この影響で家畜などが死んだほか、住民が呼吸困難などを訴えていた。
しかし、ウビナス山近郊で暮らす住民の多くは貧しい農民で、家畜の
牛や羊、リャマがなければ生活できないとして避難を拒否。これに対し、
トレド大統領は火山の噴火による危険性が高いと判断して、非常事態
宣言を出し、軍隊を派遣して住民の避難を促し、食糧や飲料水、テント、
毛布、医薬品などを配布した。
これまでに、火山性ガスの影響などで、リャマやアルパカ、ビクーニャ
などの家畜約60頭が、死んでいるという。
ソース(CNN)
http://www.cnn.co.jp/science/CNN200604240017.html 写真(噴煙を上げるウビナス山)
http://www.cnn.co.jp/science/images/CNN200604240018.jpg