NTTデータ元社員、カード偽造の疑い 被害3千万円
NTTデータは28日、同社が開発と運用を請け負っていた仙台銀行のコンピューターセンターの運用責任者が、
クレジットカードの暗証番号などを不正に持ち出してカードを偽造した可能性がある、と発表した。
現時点で17人の顧客が計約3100万円を借り出される被害が出ているという。
NTTデータによると、持ち出されたのはオリックス・クレジットのローンカードを
仙台銀行の現金自動出入機(ATM)で使ったことのある408人分の取引記録。
この責任者は、持ち出した記録とオリックス・クレジットのホームページなどから利用者の名前などを割り出し、
新たに別のローンカードを偽造。ATMから現金を借り出していたという。
判明した被害については、すでにオリックス・クレジットが全額補償した。
この責任者は同社の元社員。同社の業務委託先の「エムディーシステム」の社員として
00年6月から同センターに派遣されており、03年5月に不正を監視する責任者になった。
2月22日に出社しなくなり、現在も連絡がつかないという。
また、この責任者はコンピューター関連の技術が高く、取引記録閲覧用のプログラムを
暗証番号などを見られるよう書き換えて記録を印刷したほか、
記録閲覧用のコンピューター室につけられていた指紋認証システムの入退室記録も書き換えた可能性があるという。
同社の浜口友一社長は28日記者会見し、「関係の皆様に深くおわびしたい。
残念ながら、責任者が悪事に手を染めるという考えに欠けていた。
システムの見直しや社員教育の充実などの再発防止に取り組みたい」と話した。
朝日新聞 2006年03月28日16時06分
http://www.asahi.com/national/update/0328/TKY200603280313.html