「医師の独断」問題視、家族同意「文書ない」 病院会見
2006年03月26日01時08分
富山県の射水市民病院でがんなどの末期患者7人の人工呼吸器が取り外され、死亡した問題で、残されたカル
テには「家族の希望」などと記されていた。だが、同意取り付けの経緯は不明確で、病院内での合意も十分とは
いえなかった。延命治療の停止は、やむを得ない選択だったのか。
25日午後、麻野井英次院長ら幹部4人がそろって記者会見し、院内調査の結果を説明した。
「数が多かったこともあり、非常に、社会的にも問題があると思った。犯罪性についての調査は我々だけでは
できないので警察の調査にゆだねた」。麻野井院長は苦渋の表情を浮かべた。
きっかけは内科系看護師長の報告だった。
「外科部長から人工呼吸器を外すよう指示がありました」
昨年10月12日、知らせは副院長経由で麻野井院長に入った。対象患者は外科系。たまたま内科系病棟に入
院していた。
院長はすぐに外科部長に「人工呼吸器を外してはならない」と命じた。「部長の言動から人工呼吸器の取り外
しに関する認識の違いを知り、ほかにも同様の事例があるのではないかと心配になった」のだという。
同日、緊急に院内調査委員会が発足した。カルテの記録や医師、看護師らの記憶を元に過去10年間に外科で
死亡した患者について調査し、七つの事例がわかった。
院長は会見で、「問題にしたのは、患者の意思が明確だったか、呼吸器を外すにあたって他の医師による確認
などの手続きを踏んでいるかということだ」と説明した。
外科部長は患者の状態と、治療中止について家族らにどこまで説明していたのか。「同意書という形にはなっ
ていなかった」と院長。4人いたという外科系医師らの間でどんな判断があったのかも、会見では明確にはなら
なかった。
ソース:
http://www.asahi.com/national/update/0325/TKY200603250306.html