★松本 給食運搬車で引っ越し 市は委託先の処分検討
松本市の学校給食運搬業務を請け負っていた市内の運送会社が、2001年度
から04年度の春休みや夏休みに、給食運搬用に限る契約だったコンテナ車
(トラック)を一般の引っ越し業務に使っていたことが16日、分かった。市教育委
員会は「衛生管理上、ほかの業務に使うことは禁止しており契約違反だ」(学校
給食課)として、運搬業務を受託し運送会社に下請けに出していた中信トラック
協同組合(松本市)に、何らかの処分を検討している。
市教委などによると、協同組合は01年の指名競争入札で、市内小中学校の
01−05年度の給食運搬業務を落札した。年間の契約額は約5000万円。16台
のコンテナ車を使い、2カ所の給食センターから各校へ計1万7000食余を届けて
いる。
運送会社16社でつくる協同組合は、昨年度まで組合員の2社に下請けさせ運搬
した。このうちの1社の社長(48)によると、02年春から04年夏まで毎年、春休みと
夏休みごとに約10日間、引っ越しを専門業者から請け負い、給食運搬用コンテナ
車を1日当たり1−2台使ったという。
社長は「契約違反と分かっていたが、運転手の仕事がなくなる学校の長期休み
に収入を確保させたかった」と説明。段ボールやベッド、テレビ、冷蔵庫などを運び、
長期休みが終わる際、車内を消毒したという。
協同組合の日下部敏夫事務局長は「運送会社が契約違反をしているのは知らな
かった」と説明。市教委学校給食課の小川俊文課長は「業者を信用しており、目的
外使用をしているとは思わなかった」と話す。
松本市の場合、コンテナ車の外部に給食を運んでいることを示す表示はない。
同様に学校給食の運搬を民間に委託、コンテナ車の目的外使用を禁止している
長野市は、車体に「市学校給食センター」と明記。センターが車庫で他の用途に
使われることはないという。(
>>2以降に続きます)
信濃毎日新聞 3月17日(金)
http://www.shinmai.co.jp/news/20060317/KT060316FTI090015000022.htm (
>>1つづき)
コンテナ車を給食運搬以外に使うことを認めるかどうかで国の指針はなく、市町村
の判断に任されている。県教委保健厚生課は「子どもの健康と食の安全が確保され
ることが大事。松本市は慎重に対応してほしい」と話している。